「太陽光発電って本当に元が取れるの?」
施主からよく聞かれる質問ではないでしょうか。
結論から言えば、2025年現在でも条件次第で10年前後での投資回収は十分に可能です。
ただし、かつての「売電で稼ぐ」時代とは状況が変わり、今は「自家消費」を重視した設計がポイントになっています。
この記事では、2025年最新のFIT価格や電気代単価をもとに、回収期間のシミュレーションと、回収を早めるための具体的な方法を解説します。
目次
家庭用太陽光発電は元が取れるのか?

結論から言えば、家庭用太陽光発電は条件次第で10年前後で元が取れます。
太陽光発電の投資回収は、「初期費用をいかに抑えるか」と「発電した電気をいかに有効活用するか」の2点が重要なポイントになります。
適切な導入方法を選び、自家消費を意識した使い方をすれば、設置費用の回収は十分に可能です。
一方で、導入方法や業者選びを誤ると、回収が難しくなるケースもあります。
相場より高い工事費用で契約してしまったり、発電効率の悪い設置をしてしまうと、想定通りの経済効果が得られません。
重要なのは適切な太陽光発電設備の導入、そして施工時の初期費用を抑えることです。
家庭用太陽光発電で「元を取る」とは?売電と自家消費、2つの考え方

太陽光発電で「元を取る」方法には、大きく分けて「売電」と「自家消費」の2つのパターンがあります。
それぞれの仕組みと経済効果を理解することが、適切な提案につながります。
売電で元を取るパターン
売電とは、太陽光パネルで発電した電気を電力会社に売却し、収入を得る方法です。
日本では「FIT制度(固定価格買取制度)」により、住宅用太陽光発電(10kW未満)で発電した電気は、10年間固定価格で買い取ってもらえます。
具体的にいうと2025年度上半期(4月〜9月認定分)の買取価格は15円/kWhであり、一般的な5kWのシステムから発電した電力5,000~6,000kWhをすべて売電に回した場合は、約75,000〜90,000円程度の収入が得られるということです。
一般的にはすべて売電に回すケースはほぼなく、6割程度は自家消費されるため、実際の収益はこれよりも低い数値になります。
なお、2025年度下半期に認定を受け、初期投資支援スキームを選択した住宅用設備には「初期投資支援スキーム」が導入され、最初の4年間は24円/kWh、5年目以降は8.3円/kWhという段階制が適用されます。
この制度は初期費用の早期回収を目的としたもので、再生可能エネルギー導入を促進する狙いで定められた制度です。
| 認定時期 | 買取価格 |
|---|---|
| 2025年4月〜9月認定 | 15円/kWh(10年間固定) |
| 2025年10月以降認定 | 最初4年間:24円/kWh → 5年目以降:8.3円/kWh |
自家消費で元を取るパターン
自家消費とは、発電した電気を売らずに自宅で使用し、電気代を削減する方法です。
2025年現在、家庭用の電気代単価は約31〜36円/kWh程度です(東京電力 従量電灯Bの場合)。
一方、売電単価は15円/kWhですから、発電した電気は「売る」より「自分で使う」方が約2倍お得という計算になります。
【売電と自家消費の経済メリット比較】
| 活用方法 | 1kWhあたりのメリット | 備考 |
|---|---|---|
| 売電 | 15円 | FIT価格(2025年度上半期) |
| 自家消費 | 約31〜36円 | 電気代削減効果として換算 |
今は「自家消費重視」の時代
かつてFIT価格が40円を超えていた時代は「売電で稼ぐ」ことが主流でしたが、現在は状況が大きく変わっています。
- 売電単価の下落:2012年の42円/kWhから、2025年は15円/kWhへ
- 電気代の高騰:燃料価格上昇や再エネ賦課金(2025年度は3.98円/kWh)の影響(出典:再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2025年度以降の買取価格等と2025年度の賦課金単価を設定します|経済産業省)
この2つの変化により、「発電した電気は売るより使った方が得」という状況が生まれています。
施主への説明では、「自家消費1kWhあたりの経済メリットは、売電の約2倍」という点を強調すると理解が得やすくなります。
太陽光発電で元を取るまでの期間は?回収年数の目安

ここからは、実際に太陽光発電で元を取るまでにどのくらいの期間がかかるのか、具体的な目安とシミュレーション例をご紹介します。
回収期間を左右する要素も押さえておきましょう。
一般的な回収期間は10年前後
住宅用太陽光発電の平均的な回収期間は、10年前後が目安です。
条件が良ければ7〜8年、逆に条件が悪いと15年以上かかるケースもあります。
そもそも太陽光発電設備は、FIT制度の買取期間が10年間であることから、「FIT期間内に初期費用を回収し、11年目以降は利益を享受する」という設計が基本となっています。
回収期間 = 設置費用 ÷(年間売電収入 + 年間電気代削減額 − 年間維持費)
次に実際のシミュレーションをしてみましょう。
ここでは、5kWの太陽光発電を新築戸建てに設置し、年間発電量5,000kWh、自家消費率40%、電気料金30円/kWh、売電単価15円/kWh、年間維持費1万5,000円という前提で試算します。
| 項目 | ケースA(補助金あり) | ケースB(補助金なし) |
|---|---|---|
| 設置容量 | 5kW | 4.5kW |
| 年間発電量の想定 | 5,000kWh | 4,500kWh |
| 自家消費率 | 40% | 40% |
| 自家消費量 | 2,000kWh | 1,800kWh |
| 売電量 | 3,000kWh | 2,700kWh |
| 電気料金単価(削減効果) | 30円/kWh | 30円/kWh |
| 売電単価(FIT) | 15円/kWh | 15円/kWh |
| 設置費用(相場目安) | 143万円 | 120万円 |
| 補助金 | 50万円(例:東京都想定) | なし |
| 実質初期費用 | 93万円 | 120万円 |
| 年間電気代削減額 | 約6.0万円(2,000kWh×30円) | 約5.4万円(1,800kWh×30円) |
| 年間売電収入 | 約4.5万円(3,000kWh×15円) | 約4.05万円(2,700kWh×15円) |
| 年間維持費 | 約1.5万円(5kW×3,000円) | 約1.35万円(4.5kW×3,000円) |
| 年間純メリット(削減+売電−維持費) | 約9.0万円 | 約8.1万円 |
| 回収期間の目安 | 約10.3年(≒約10年) | 約14.8年(≒約15年) |
このように、補助金の活用有無で回収期間に3〜4年の差が生じることがわかります。
回収期間を左右する3つの要素
回収期間は、以下の3つの要素によって大きく変動します。
1. 初期費用の金額
経済産業省のデータによると、2024年度の住宅用太陽光発電の設置費用は、新築で平均28.6万円/kW。
つまり、5kWの設置で約143万円となります。
業者によって見積もりに差があるため、複数社から見積もりを取ることが重要です。
2. 発電量(日照条件・設置角度など)
屋根の向きや角度、地域の日照時間によって年間発電量は変わります。
南向き・傾斜角30度前後が理想的とされ、北向きの屋根では発電効率が大きく低下します。
3. 自家消費率(日中に電気をどれだけ使うか)
太陽光発電は日中に発電するため、日中の在宅率が高い家庭ほど自家消費率が高くなります。
共働き世帯で日中不在の場合、自家消費率は30%程度にとどまることも。
蓄電池の導入で自家消費率を高めることも検討材料になります。
太陽光発電で元を取るまでの期間を早める4つの方法

回収期間を短縮するためには、以下の4つの方法が有効です。
1. 自家消費率を高める工夫をする
発電した電気を「売る」より「使う」方が経済メリットは大きいため、自家消費率を高める工夫が回収を早めます。
- 洗濯機・食洗機は日中にタイマー設定する
- エコキュートの沸き上げ時間を昼間にシフトする
- 在宅ワークの推奨(日中の電力使用増加)
このような対策を取ることで、より太陽光発電の自家消費率を高めて、恩恵を享受句できます。
2. 蓄電池を併用する
蓄電池を導入すれば、日中に発電した電気を貯めて夜間に使用できます。自家消費率を70〜80%程度まで高められるため、電気代削減効果が大きく向上します。
ただし、蓄電池自体の初期費用(80〜150万円程度)がかかるため、太陽光発電単体での回収とは別に試算が必要です。
停電対策としての価値も含めて、施主と総合的に検討することをおすすめします。
3. 補助金制度を活用する
国や自治体の補助金を活用することで、実質的な初期費用を大幅に削減できます。
- 国の補助金:ZEH住宅などを対象とした支援(新築限定が中心)
- 東京都:住宅用太陽光発電初期費用ゼロ促進の増強事業(10万円/kW、上限36〜45万円)
- 各自治体:独自の補助金制度(地域により異なる)
補助金は年度や予算状況により変更されるため、最新情報の確認が必須です。
4. 初期費用0円のリースモデルを検討する
初期費用をかけずに太陽光発電を導入する方法として、「リースモデル」があります。
リースモデルでは、月々のリース料金を支払う代わりに、売電収入や電気代削減効果はすべて施主のものになります。
PPAモデル(施主に売電収入が入らない)とは異なり、売電収入でリース料金を相殺しながら、さらに電気代を削減できる点がメリットです。
住宅ローンへの影響もないため、「初期費用は抑えたいが、太陽光発電のメリットは最大限享受したい」という施主に適した選択肢といえます。
まとめ
家庭用太陽光発電は、条件次第で10年前後で初期費用を回収できます。2025年現在は「自家消費」が「売電」より経済メリットが大きく、いかに発電した電気を自宅で活用するかがポイントです。
回収期間を早めるためには、自家消費率の向上、蓄電池の併用、補助金の活用、そして初期費用0円のリースモデルの検討が有効です。
施主の家族構成やライフスタイルに合わせた最適な提案を心がけましょう。
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