2025年に入り、太陽光発電の導入を検討されている方にとって最も気になるのが補助金の動向ではないでしょうか。
政府が掲げる2030年の新築戸建て太陽光設置率6割という目標を背景に、太陽光発電関連の補助金制度は重要な転換期を迎えています。
2025年度の補助金の動向としては、太陽光発電を設置する方から、太陽光発電を含む様々なゼロエネルギー化に取り組む方への補助に移行しています。
これまでの太陽光パネル単体への補助から、より包括的なエネルギーシステムへの支援へとシフトしているのが特徴です。
本記事では、令和7年度(2025年度)の最新補助金情報と、申請時の注意点について詳しく解説いたします。
目次
2025年太陽光発電関連の補助金の動向

2025年太陽光発電関連の補助金動向を紹介します。
令和7年度(2025年度)は特に自治体差が大きい
2025年度の太陽光関連補助金は、自治体間の格差が特に顕著になっています。
東京都では、省エネ・再エネ住宅普及拡大を促進するため、太陽光発電設備、蓄電池の設置等に対する補助事業を実施しています。
一方で、補助金制度を設けていない自治体も存在するなど、お住まいの地域によって支援の手厚さに大きな違いが生じていることを理解しておきましょう。
国からの太陽光パネルへの補助金なし
実際に、国は、2022年ごろから太陽光発電の設置単体への補助金支給を行っていません。
この背景には、太陽光発電システムの価格が大幅に下がったことがあります。
2011年の設置費用と比較すると、2019年には半額程度に費用が安くなっており、2025年はそれよりもさらに安く設置できるようになってきていることから、補助金が不要と判断されたと推測されます。
国の方針は、太陽光発電単体から蓄電池やV2Hシステムとの組み合わせによる総合的なエネルギーシステムへの支援にシフトしているといえるでしょう。
2025年最新!主な太陽光関連補助金制度

国からの太陽光パネルへの補助金はありませんが、再エネ補助制度などは利用できます。
ここでは、2025年最新の太陽光関連補助金制度を紹介します。
国の再エネ補助制度
国からの太陽光関連補助制度で主要なものを2つ紹介します。
戸建住宅ZEH化等支援事業
戸建住宅ZEH化等支援事業とは、ZEHの新築戸建住宅を建築、購入する個人または販売者に対して支給される補助金です。
ZEH、ZEH+の性能をもつ新築住宅の建築、購入をする個人に対して、55万円(ZEH+は90万円)の補助金が支給されます。(【参考】2025年の経済産業省と環境省のZEH補助金について)
補助対象 | 補助金額 |
---|---|
ZEH | 55万円(上限) |
ZEH+ | 90万円(上限) |
また、申請スケジュールは以下のようになっています。
事業種別 | 一般公募(単年度) | 一般公募(複数年度) | 新規取組公募 | 複数年度事業の2年目 |
---|---|---|---|---|
公募開始 | 2025年4月28日(月)10:00 | 2025年11月7日(金)10:00 | 2025年4月28日(月)10:00 | 2025年4月28日(月)10:00 |
公募締切 | 2025年12月12日(金)17:00 | 2026年1月6日(火)17:00 | 2025年8月29日(金)17:00 | 2025年5月23日(金)17:00 |
最終交付決定 | 2025年12月24日(水) | 2026年1月21日(水) | 2025年9月17日(水) | 2025年6月11日(水) |
中間報告締切 | BELSの取得日から3週間以内 | (対象外) | BELSの取得日から3週間以内 | (対象外) |
最終事業完了日 | 2026年1月16日(金) | 2026年1月30日(金) | 2026年1月16日(金) | 2025年10月17日(金) |
完了実績報告締切 | 事業完了日から15日以内 | 事業完了日から15日以内 | 事業完了日から15日以内 | 事業完了日から15日以内 |
CEV補助金
CEV補助金とは、V2H(Vehicle to Home)とクリーンエネルギー自動車の導入を支援する補助金制度です。
予算は個人宅に対して40億円、2025年月末から9月末の2ヶ月と申請期間が短いため、早期に申請が必要となります。
まずV2Hに対しての補助額は以下となります。
項目 | 補助金額 |
---|---|
設備費 | 上限50万円(補助率1/2) |
工事費 | 上限15万円 |
合計最大 | 65万円 |
次に電気自動車を購入する際は、以下の区分ごとに上限までの補助金が利用可能です。
車種 | 補助金上限額 |
---|---|
EV車 | 90万円 |
軽EV車 | 58万円 |
PHEV車 | 60万円 |
FCV車 | 255万円 |
補助金が利用できる自治体一覧
補助金が利用できる自治体は全国にありますが、主要なものを紹介します。
東京都では「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」として高額な補助金を実施しています。
項目 | 条件・容量 | 補助金額 | 上限 |
---|---|---|---|
太陽光(新築) | 3.6 kW以下 | 12万円/kW | 36万円 |
3.6 kW超 | 10万円/kW | 未記載 | |
太陽光(既築) | 3.75 kW以下 | 15万円/kW | 45万円 |
3.75 kW超 | 12万円/kW | – | |
蓄電池 | – | 12万円/kWh | 95万円 |
DR参加時 | 上記+10万円 | – | |
V2H | 単体設置 | 設置価格の1/2 | 50万円 |
機能性PV加算 | 小型PV等 | 最大8万円/kW | – |
太陽光パネル単体への補助金はありませんが、新築・既築住宅への太陽光関連製品の設置、V2Hの購入に対して補助金が利用できます。
なお、申請スケジュールは事前申し込みが令和7年5月30日から始まり、令和7年6月30日から令和8年3月31日までが申請期間です。
神奈川県では、2050年脱炭素社会の実現に向けて、家庭部門における省エネルギー化及び太陽光発電設備等の導入を促進しています。
その取組の一環として、太陽光発電及び蓄電池を同時に導入する経費の一部を補助します。
2025年4月25日〜予算枠終了まで、以下の内容の補助金が利用可能です。
項目 | 補助金額 | 備考 |
---|---|---|
太陽光 | 7万円/kW | – |
蓄電池 | 15万円/台 | – |
住宅と蓄電池同時導入が対象で、先着順のため早期終了リスクがある点に注意しましょう。
埼玉県では、県主導補助(既存住宅)太陽光発電設備は系統連系を行って使用するものとし、固定価格買取制度(FIT)の認定は受けないこと、また、発電量の30パーセント以上を自家消費することという条件になっている点に注意しましょう。
なお、導入機器は太陽光(FIT不可)+HEMS+蓄電池セットにする必要があります。
項目 | 補助金額 | 上限 |
---|---|---|
太陽光 | 7万円/kW | 35万円 |
蓄電池 | 一律10万円 | – |
V2H | 一律15万円 | – |
申請スケジュールは事前申請が令和7年5月30日から開始しており、6月30日から令和8年3月31日までとなっています。
太陽光関連の補助金を活用する際の注意点

太陽光関連の補助金を活用する際の注意点を紹介します。
補助金頼りにならないコスト設計
2025年以降も太陽光発電関連の補助金は引き続き継続されると考えられます。
しかし、太陽光発電設備単体についての補助金が打ち切りとなってように、急に補助金が支給されなくなる可能性も十分あるでしょう。
そのため補助金ありきの導入計画だけでは不安があります。
補助金が仮に使えないとしても投資効果があるかまでシミュレーションしたうえで、導入を検討するよう施主にアドバイスしましょう。
事前着工NGなどの条件を確認
経済産業省の資料によると、補助金の交付が決定する前の契約や発注によって発生した経費は、補助金の交付対象外となっています。
多くの補助金制度では、交付決定前の工事着手は補助対象外となるため、事前申込の受理がなされる前に契約締結しているものは補助の対象外となってしまいます。
必ず申請手順を確認し、適切なタイミングで工事を開始しましょう。
併用の可否を注視
太陽光発電と蓄電池の補助金制度は、国から貰えるお金と市区町村から貰えるお金の両方を受け取れるケースがあります。
ただし、国の補助事業との併用や国庫支出金を財源とする市町村の補助事業等との併用ではないことという制限がある場合もあります。
申請前に各制度の併用可否を必ず確認し、ミスのないよう申請しましょう。
まとめ
2025年度の太陽光発電関連補助金は、単体設備から総合的なエネルギーシステムへの支援にシフトしています。
国の直接支援は縮小していますが、東京都をはじめとする自治体では手厚い支援が継続されており、地域格差が拡大している状況です。
蓄電池の導入を考えている人なら、2025年も国からの補助金に期待している場合も多いでしょう。
補助金を活用する際は、制度の突然の終了リスクを考慮した導入計画を立て、事前着工の制限や併用条件を十分に確認することが成功の鍵となります。
お住まいの地域の最新情報を定期的にチェックし、専門業者と相談しながら最適な導入タイミングを見極めましょう。
また、太陽光発電の導入費用を抑えるには補助金だけでなく、太陽光リースの利用もおすすめです。
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