青汁王子こと三崎優太氏が2026年1月にスタートした新事業「でんき0株式会社」が話題を集めています。
「電気代が0円になる」というインパクトのあるキャッチコピーに、施主から問い合わせを受けた工務店や住宅会社の担当者も多いのではないでしょうか。
しかし、本当に電気代がタダになるのか、どのような仕組みなのか、疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、でんき0株式会社のサービス内容や仕組みをわかりやすく解説するとともに、加入前に知っておくべき懸念点についても詳しく紹介します。
施主への説明や提案に役立つ情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
青汁王子が始めた「でんき0株式会社」とは?

青汁王子こと三崎優太氏が始めた新事業が、SNSをはじめとして注目を浴びています。
まずは、新電気事業「でんき0株式会社」とは何かを理解しましょう。
青汁王子こと三崎優太氏の新事業
「でんき0株式会社」とは、三崎優太氏がスタートした新事業です。
『日本にでんき0革命を起こす」として発信したこのサービスは、2026年1月13日にスタートしました。
三崎優太氏の知名度もあり注目度は高いこのサービスですが、一体なぜ電気代が0になるのか、その仕組みについて疑問が多いのも事実です。
具体的なスキームとしては、太陽光発電システムを導入してもらう代わりに、安価な電気プランやお得な余剰電力の買取を提供するものであり、日本の電気代高騰や再エネ活用の双方に着目した事業です。
太陽光発電を活用した新サービス
「でんき0株式会社」は電気代の構造そのものに着目したサービスで、簡単にいうと太陽光発電システムと蓄電池の組み合わせで自家消費を高め、家庭内での電力の使い方を見直すことを目的としています。
要は、電気代の高騰で生活が苦しいという現状を打破するために、「電力を自家発電して消費することで、電力会社から購入する量自体を減らそう」ということが、本サービスの本質です。
でんき0株式会社のサービスを詳しく解説

ここからは、でんき0株式会社のサービスについてより詳しく解説します。
一体どのような仕組みで電気代が0になるのか、電気代を安くするための仕組みとは何かを理解することで、本当に一般ユーザーにとってお得なサービスかがわかるはずです。
太陽光発電+蓄電池の組み合わせによる電力自家消費の最大化
でんき0株式会社が目指すのは、太陽光発電と蓄電池の組み合わせによる、電力自家消費量の最大化です。
太陽光パネルで発電し、それを蓄電池へ蓄えて自家消費すれば、電力会社から電力を買う必要はありません。
現状、電力会社から購入する電力の料金には「再生可能エネルギー発電促進賦課金」や「託送料」が上乗せされており、それが電気代高騰の一因となっています。
一方で、でんき0株式会社が提唱するように自家消費が高まれば、電力の購入が不要となり、これらのコスト負担を削減可能です。
電気代が無料になるプランを提供
でんき0株式会社は、さまざまなお得なプランを提供しています。
1つ1つ概要を紹介します。
12時〜13時昼間0円プラン
12時〜13時昼間0円プランとは、でんき0加入者が昼の1時間に電力を使っても、電気代がかからないというプランです。
この時間帯に家電の使用を集中させることで、電気代の節約ができる可能性があります。
また、電気料金のプランは使用量に関わらず単価が一律のため、変動がなく料金を把握しやすい点もメリットといえるでしょう。
環境価値買取サービス
環境価値買取サービスは、自宅で発電した電力に対して「環境価値」をつけ、1kWhあたり0.4円で買い取るサービスです。
電気料金を削減し、余った電気を売って初期投資の回収に充てられると考える点がメリットとなります。
FIT制度に依存しない電気買取サービス

でんき0株式会社の特徴は、FIT制度に依存しない電気買取サービスです。
なお、でんき0株式会社の「でんき0FIT」は、10kW未満の非FIT発電設備の電力を、高値で買い取る制度です。
FIT認定が不要、国が定めた固定価格よりも高額での買取が可能で、さらに期間も20年と長期に設定されています。
<太陽光+蓄電池導入プラン(7kWh以上)>
| 期間 | 買取価格 |
|---|---|
| 1〜4年 | 25円/kWh |
| 5〜10年 | 15円/kWh |
| 11〜20年 | 11円/kWh |
<太陽光発電のみのプラン>
| 期間 | 買取価格 |
|---|---|
| 1〜10年 | 15円/kWh |
| 11〜20年 | 11円/kWh |
本当に国のFIT制度よりもお得なのか、現行のFIT制度の買取価格と比べてみましょう。
まず、FIT制度は2026年より大きく変更があり、余剰電力の買取価格が最初の4年のみ24円/kWh、5〜10年目以降は8.3円、10年間の平均は約14.58円/kWhです。
つまり、でんき0株式会社で太陽光と蓄電池を購入した場合、固定買取価格よりも高額で余剰電力を売却可能です。
なお、太陽光発電のみのプランの場合も、FIT制度の平均買取額を上回る15円に設定されており、すでに太陽光発電設備を導入済みの家庭でもメリットが得られます。
次に、もう1つのプラン「でんき0卒FIT」についても紹介します。
FIT期間を満了、あるいは満了を迎える過程の余剰電力を20年間高値で買い取るプランで、以下の価格で余剰電力の買取が可能です。
<蓄電池10kWh以上を導入するプラン>
| 期間 | 買取価格 |
|---|---|
| 1〜4年 | 25円/kWh |
| 5〜10年 | 15円/kWh |
| 11〜20年 | 11円/kWh |
<蓄電池5〜10kWh未満を導入するプラン>
| 期間 | 買取価格 |
|---|---|
| 1〜10年 | 15円/kWh |
| 10〜20年 | 11円/kWh |
なお、卒FIT後も電気買取を利用する「自由契約」は利用可能ですが、電力会社によって買取価格が異なります。
でんき0株式会社では東京電力エリアの自由契約での買取価格8.5円/kWhを基準とし、それを大幅に超える価格での買取を利用可能です。
でんき0株式会社についての懸念点

でんき0株式会社はサービス内容を見ればかなり魅力的に見えますが、もちろん懸念すべき点はいくつもあります。
まず大切な点が「電気代が何もしなくてもタダになる」サービスではないことです。
設備の導入費用は施主が負担しなければならず、初期費用はかかります。
自家消費によって経済的なメリットはありますが、立地条件によっては自家消費だけで電力を賄えず、結局電気を購入する必要がある場合も考えられます。
また新規事業かつ「国よりも高い金額で電気を買い取る」と謳う以上は、それ以上の収益が出るモデルかどうかも確認が必要です。
ここからはでんき0株式会社についての懸念点について触れていきます。
太陽光パネルや蓄電池の設置費用は必要である
まずでんき0株式会社を利用するには、太陽光発電設備が必要です。
太陽光発電設備を導入するコストを負担でき、かつ十分な発電量が見込める家庭でないと採算が合わない可能性は十分にあるでしょう。
ローンや補助金も利用できますが、それでも施主に負担がかかることは変わりません。
まず前提として電気代削減の仕組みを得るには太陽光発電設備の導入が必須であることは理解しておくべきです。
太陽光発電や蓄電池の導入費用については、こちらの記事をご覧ください。
太陽光パネルを自由に選べない
基本的にでんき0株式会社経由で太陽光発電パネルを導入する際、メーカーを自由には選べません。
サービスの利用条件として、会社側が指定する商材を導入する必要があるためです。
でんき0または指定販売店が指定するパネルの導入が条件であり、カタログから好きなメーカーを選ぶようなオーダーメイド方式ではありません。
メーカーは明言されていませんが公式サイトのQ&Aによると、国産メーカー・中国製など、ユーザーのニーズに合わせた提案が可能とされています。
また、当初公開されていた写真だと、Huawei(ファーウェイ)やLUNAしイーズが採用されているようです。
施主が太陽光パネルのメーカーにこだわりがあるような場合は、最適な選択肢になり得ないことは理解しておきましょう。
事業の継続性に疑問がある
でんき0株式会社が万が一破綻するなど、トラブルがあればサービスは継続できません。
国の固定価格よりも高額で電気を買い取りし、1時間とはいえ電気代を無料にするサービスの性質上、リスクが高いことは伺えます。
もちろん、太陽光パネルの設備導入費用などで収益を上げるモデルとは推測できますが、新規加入者の数によってはサービスが継続できない可能性もあります。
また、現時点で提示されている買取価格に変更が生じることも考えられるでしょう。
もちろん、事業が軌道にのり、健全な収益構造が確立されれば恩恵を受け続けることができます。
現時点では収益性の面なども踏まえて、十分に検討してから利用すべきといえます。
あとからFITに切り替えられない
でんき0株式会社のサービスに加入したあと、国のFIT制度への切り替えはできません
国のFIT制度は原則、設備の設置前に認定とw受ける必要があり、一度「非FIT」の認定がでた設備を、あとから切り替えることは仕組み的に不可能です。
また、でんき0株式会社のサービスは、20年間の長期買取契約が基本です。
そのため、契約期間中に他社・国の制度へ乗り換える場合は、でんき0株式会社のプランの解約が必要となります。
まだ契約について明記はされていませんが、解約の場合は違約金などが発生することも考えられます。
施主から問い合わせがあったら太陽光リースも提案の価値あり!

「でんき0株式会社」のようなサービスに施主が興味を持った場合、工務店や住宅会社の担当者としてはどのような提案ができるでしょうか。
電気代を削減したいという施主のニーズに応えるなら、太陽光リースという選択肢も検討する価値があります。
太陽光リースなら初期費用を大きく抑えられる
太陽光リースの最大のメリットは、初期費用0円で太陽光発電システムを導入できる点です。
通常、太陽光発電システムを購入する場合は100〜150万円程度の初期費用が必要となります。
一括での支払いが難しければローンを組むことになり、住宅ローンへの影響を心配する施主も少なくありません。
一方、太陽光リースならリース会社が設備を一括購入し、施主は月々のリース料金を支払うだけで太陽光発電を利用できます。
月々のリース料金は10,000〜40,000円程度(設備容量によって異なる)が相場で、固定料金のため支出の見通しが立てやすいのも特徴です。
また、リース契約の場合は住宅ローンの審査に影響しにくいため、新築時の資金計画を崩さずに太陽光発電を導入できます。
電気代削減効果も期待できる
太陽光リースでも、発電した電力は施主が自由に使用できます。
自家消費によって電力会社から購入する電力量を減らせるため、月々の電気代削減が期待できます。
2026年1月時点での家庭用電力料金は1kWhあたり30円程度となっており、仮に1ヶ月に200〜300kWhを自家消費できれば、6,000〜9,000円ほどの電気代節約につながります。
さらに、リース契約ではPPAモデルと異なり、余剰電力の売電収入を得ることも可能です。
売電収入をリース料金の支払いに充てれば、実質的な負担をさらに抑えられます。
設置条件が良く、十分な発電量を確保できる住宅であれば、売電収入でリース料金の大部分を賄えるケースもあります。
メンテナンスや処分費用などのコストがない
太陽光リースでは、契約期間中のメンテナンス費用や修理費用はリース会社が負担します。
太陽光発電システムの定期点検は3〜5年ごとに1回あたり約4万円かかるとされており、10年間で10万円以上の出費になることも珍しくありません。
リース契約であれば、こうした維持管理にかかる費用を気にする必要がなく、急な出費を避けられるのがメリットです。
また、契約期間満了後は設備が無償譲渡されるプランが多く、10〜15年後にはメーカー保証付きの太陽光発電システムが自分のものになります。
譲渡後は、リース料金の支払いなしで発電した電力を活用できるため、長期的な経済メリットはさらに大きくなります。
なお、途中解約には違約金や残債の一括支払いが必要となる場合があるため、長期的に住み続ける予定の住宅であることが前提条件です。
そのため、施主の状況に合わせて、最適な導入方法を提案しましょう。
まとめ
青汁王子こと三崎優太氏が立ち上げた「でんき0株式会社」は、太陽光発電と蓄電池による自家消費の最大化を目指すサービスです。
国のFIT制度よりも高い買取価格や、電気代無料の時間帯を設けるなど、魅力的なプランが用意されています。
しかし、電気代が自動的にタダになるわけではなく、太陽光パネルや蓄電池の設備導入費用は施主が負担する必要があります。
また、パネルメーカーを自由に選べない点や、新規事業ゆえの継続性への懸念、FIT制度への切り替え不可といった注意点も存在します。
施主から「でんき0株式会社」のようなサービスについて問い合わせがあった場合は、太陽光リースという選択肢も併せて提案してみてはいかがでしょうか。
初期費用を抑えながら電気代削減効果が得られ、メンテナンス費用も不要な太陽光リースは、幅広い施主のニーズに応えられる導入方法です。
建築現場博士がおすすめする太陽光発電システムは『ダブルZERO』です。
太陽光発電システムの設置と災害対策を初期費用0円でおこなえます。
ダブルZEROを提供しているSolaCoe株式会社は、新築住宅向けに4,000件の太陽光発電システムを設置した実績とノウハウを持っています。
太陽光発電システムの申請代行もおこなっており、太陽光発電システムの経験がない工務店様でも心配はありません。
またオンライン・オフライン形式での勉強会開催や提案ツールの提供をおこなっており、太陽光発電が未経験であっても安心して施主様に提案が可能です。



















再生可能エネルギーを電力会社が一定期間、固定価格で買取する制度。利用には設備設置前にFIT認定申請を提出、認可を受けてから10年間で買取が終了する。