帳票・書類テンプレートの無料ダウンロードはこちら

初期費用0円で太陽光発電は本当にお得?0円ソーラーの仕組み・デメリット・補助金・最新動向

「初期費用0円で太陽光発電が設置できる」と聞いて、施主から質問を受けたことはありませんか。

政府が掲げる「2030年、新築戸建てへの太陽光発電システム設置率6割」という目標に向けて、初期費用0円で太陽光発電を導入できるサービスが注目を集めています。

しかし「本当に無料なのか」「どんな落とし穴があるのか」と不安を感じる施主も少なくありません。

この記事では、住宅会社の担当者が施主に正しく説明できるよう、初期費用0円の太陽光発電の仕組みから、メリット・デメリット、補助金の活用方法まで詳しく解説します。

こちらの記事はこのような方におすすめです
  • 施主から0円ソーラーについて質問を受ける営業担当者
  • 太陽光発電の提案方法を知りたい住宅会社の方
  • 初期費用0円サービスと購入との違いを説明したい方
  • ZEH住宅の提案に太陽光発電を組み合わせたい方

初期費用0円の太陽光発電とは?基本の仕組み

初期費用0円の太陽光発電とは?基本の仕組み

初期費用0円の太陽光発電サービスは、事業者が設備の導入コストを負担し、施主は月々の利用料や電気料金を支払う仕組みです。

このサービスを理解するためには、まず基本的な仕組みと、従来の購入モデルとの違いを把握しておく必要があります。

初期費用0円の太陽光発電とは?基本の仕組み
  • 初期費用0円の太陽光発電サービスとは
  • 0円ソーラー・リース・PPA・自己所有の違い

初期費用0円の太陽光発電サービスとは

初期費用0円の太陽光発電サービスとは、事業者が太陽光発電設備の設置費用を負担し、施主は設備を使用する対価として月々の料金を支払うサービスです。

従来、住宅用太陽光発電システムの設置には、平均して以下のような費用が必要でした。

上記を基準にすると、住宅用に5kWの設備を設置した場合は、約140万円程度の費用が必要です。

内訳
  • ソーラーパネル:68万円
  • パワーコンディショナー:25万円
  • 架台:14万円
  • その他の設備:1万円
  • 工事費:42万円

この高額な初期投資が、太陽光発電導入の大きなハードルとなっていました。

初期費用0円サービスでは、事業者がこの設置費用を負担する代わりに、契約期間中(一般的に10〜20年)は以下のいずれかの方法で費用を回収します。

回収方法
  • 発電した電気の使用量に応じた電気料金
  • 月々のリース料
  • 月々のサービス料(売電収入を譲渡する場合)

契約期間終了後は、太陽光発電設備が施主に無償譲渡されるのが一般的で、長期的には施主の資産となり、契約終了後は電気代の削減や売電収入を得られるようになります。

0円ソーラー・リース・PPA・自己所有の違い

太陽光発電の導入方法には、いくつかの選択肢があります。

それぞれの特徴を理解しておくと、施主の状況に応じた最適な提案ができるでしょう。

導入方法初期費用月々の支払い売電収入所有権
(契約期間中)
所有権
(契約終了後)
自己所有(購入)140万程度なし施主が取得施主施主
PPA(電力販売型)0円使用した電気代事業者が取得事業者施主
(無償譲渡)
リース型0円月額リース料施主が取得
(プランによる)
事業者施主
(無償譲渡)
サブスク型0円月額サービス料事業者が取得事業者施主
(無償譲渡)

それぞれの方式には特徴があり、施主の予算やライフプラン、電力使用パターンによって最適な選択肢が異なります。

0円ソーラーの種類とからくりを解説

0円ソーラーの種類とからくりを解説

初期費用0円で太陽光発電を設置できる「からくり」は、事業者が長期契約で投資を回収する仕組みにあります。

ここでは、代表的な3つのモデルについて、その仕組みを詳しく解説します。

0円ソーラーの種類とからくりを解説
  • 電力販売型(PPA):電気を買うかわりに設備費0円
  • リース型:月々のリース料と売電収入で相殺するモデル
  • サブスク・定額サービス型:太陽光+蓄電池+電気料金込みプラン

電力販売型(PPA):電気を買うかわりに設備費0円

電力販売型(PPA:Power Purchase Agreement)は、事業者が設備を設置し、発電した電気を施主に販売する仕組みです。

このモデルでは、太陽光発電で発電した電気のうち、施主が自家消費した分の電気料金を事業者に支払います。

売電収入は事業者が取得するため、施主は売電による収入を得ることはできません。

PPAモデルの仕組み
  • 事業者が施主の屋根に太陽光発電設備を設置(初期費用0円)
  • 発電した電気は事業者の所有物
  • 施主は自家消費した分の電気料金を事業者に支払う
  • 余剰電力の売電収入は事業者が取得
  • 契約期間終了後、設備は施主に無償譲渡

PPAモデルの大きなメリットは、これまで電気料金に含まれていた「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が、自家消費分については不要になる点です。

日中の電力使用が多い施主ほど電気代削減効果が大きくなります。

また、太陽光発電が発電しない夜間などに使用する電力については、従来通り電力会社から購入するか、事業者が指定する電力契約に切り替える必要があります。

太陽光リースとPPAを徹底比較!メリット/デメリットと選び方

リース型:月々のリース料と売電収入で相殺するモデル

リース型は、月々のリース料を支払うことで太陽光発電設備を使用する方式です。

このモデルでは、施主が毎月決まったリース料を支払い、発電した電気を自家消費したり、余剰電力を電力会社に売電したりできます。

リース料と、電気代削減額や売電収入を相殺することで、実質的な負担を抑える仕組みです。

リースモデルの仕組み
  • 事業者が施主の屋根に太陽光発電設備を設置(初期費用0円)
  • 施主は月々のリース料を支払う
  • 発電した電気は施主が自由に使える
  • 余剰電力の売電収入は施主が取得(プランによる)
  • 契約期間終了後、設備は施主に無償

リース型の特徴は、売電収入を施主が得られる点です。

ただし、月々のリース料が固定されているため、発電量が少ない月でも同額のリース料を支払う必要があります。

一方で、電気代削減額と売電収入を合わせると、月々のリース料を上回る経済効果が期待できる設計になっているのが一般的です。

サブスク・定額サービス型:太陽光+蓄電池+電気料金込みプラン

サブスク・定額サービス型は、太陽光発電システムと蓄電池をセットにした定額サービスです。

このモデルでは、月々のサービス料を支払うことで、太陽光発電システムと蓄電池の両方を利用でき、メンテナンス費用も含まれます。

一部のプランでは、電気料金も定額サービスに含まれている場合があります。

サブスク型の仕組み
  • 事業者が太陽光発電システムと蓄電池を設置(初期費用0円)
  • 施主は月々の定額サービス料を支払う
  • メンテナンスや故障時の修理も事業者が対応
  • 余剰電力の売電収入は事業者が取得(プランによる)
  • 契約期間終了後、設備は施主に無償譲渡

サブスク型の最大の特徴は、蓄電池も初期費用0円で導入できる点です。

太陽光発電システムのみの場合、発電しない夜間や悪天候時は電力会社から電気を購入する必要がありますが、蓄電池があれば発電した電気を貯めておけます。

これにより、停電時でも電気を使用でき、災害対策としても有効です。

蓄電池を購入する場合容量5〜10kWhで100〜200万円かかるため、初期費用0円で導入できるメリットは大きいでしょう。

初期費用0円の太陽光発電で得られるメリット

初期費用0円の太陽光発電で得られるメリット

初期費用0円の太陽光発電サービスには、施主にとって魅力的なメリットがいくつかあります。

特に新築住宅を建てる施主にとっては、住宅ローンの予算配分を調整できる点が大きな利点となります。

初期費用0円の太陽光発電で得られるメリット
  • 自己資金ゼロで電気代削減・停電対策をスタートできる
  • メンテナンス・故障リスクを事業者に任せやすい
  • ZEH・GX志向型住宅補助との組み合わせで導入ハードルが下がる

自己資金ゼロで電気代削減・停電対策をスタートできる

初期費用0円サービスの最大のメリットは、まとまった自己資金がなくても太陽光発電を導入できる点です。

初期費用0円サービスを利用すれば、住宅ローンの借入限度額に影響を与えずに太陽光発電を設置でき、電気代の削減や停電対策をスタートできます。

新築住宅を購入した場合、すでにかなりの出費があるため、施主にとっては負担を軽くしながら電気代対策ができるメリットの多い方法です。

停電時に太陽光発電が役立つ!最低限の停電対策5選と太陽光発電の稼働方法

メンテナンス・故障リスクを事業者に任せやすい

初期費用0円サービスでは、契約期間中のメンテナンスや故障時の修理を事業者が対応するのが一般的です。

自己所有で太陽光発電を設置した場合、メーカー保証の範囲外の故障や定期点検には別途費用がかかります。

保証内容はメーカーによって異なりますが、施主自身がメンテナンス費用を負担する必要があります。

一方、初期費用0円サービスでは、以下のようなサポートが含まれているプランが多いです。

初期費用0円プランに含まれるサポート
  • 故障時の修理(原則無料、施主の故意・過失を除く)
  • 定期点検(無償)
  • メーカー保証の手続き代行

特に、太陽光発電に詳しくない施主にとって、専門知識がなくても安心してシステムを運用できる点は大きなメリットといえるでしょう。

ZEH・GX志向型住宅補助との組み合わせで導入ハードルが下がる

初期費用0円サービスは、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金などと組み合わせることで、さらに導入ハードルを下げることができます。

ZEH住宅を建てる場合、太陽光発電システムの設置が必須条件です。

通常、ZEH仕様の住宅は一般住宅よりも建築費用が高くなりますが、初期費用0円サービスを利用すれば、太陽光発電の設置費用分を住宅ローンから切り離せます。

2025年度のZEH補助金
  • ZEH基準を満たす住宅:55万円
  • ZEH+基準を満たす住宅:90万円
  • ZEH+蓄電システム:追加で20万円

これらの補助金は施主が直接受け取るものですが、初期費用0円サービスを利用することで、実質的な建築費用を抑えながらZEH住宅を実現できます。

ただし、一部の初期費用0円サービスではZEH補助金の対象外となる場合もあるため、事前に確認が必要です。

リース契約の場合、地方自治体によっては補助金の対象となるケースもあります。

初期費用0円の太陽光発電で補助金は使えるの?

初期費用0円の太陽光発電で補助金は使えるの?

初期費用0円の太陽光発電サービスでも、自治体によっては補助金の対象となる場合があります。 ここでは、2025年時点で利用できる主な補助金制度を紹介します。

自治体補助金制度補助内容備考
東京都住宅用太陽光発電初期費用ゼロ促進の増強事業事業者への補助金を通じて、月々のサービス料・リース料を割引東京都に登録された事業者のプランが対象
神奈川県太陽光発電初期費用ゼロ促進事業費補助金事業者への補助金を通じて、月々の料金割引または一時金として還元かながわソーラーバンクシステム登録事業者が対象。
先着順で予算終了次第受付終了
京都府京都0円ソーラー最大10万円相当額を還元(月額料金減額・商品券・一時金など)府内事業者による施工など一定要件あり。
予算上限に達し次第終了

これらの補助金制度は、0円ソーラーの普及促進を目的として自治体が設けているものです。

施主が居住する地域によって利用できる制度が異なるため、対象地域にお住まいの施主には積極的に情報提供することをおすすめします。

なお、初期費用0円サービスとZEH補助金を併用できるかどうかは、契約の種類によって異なります。

リース契約の場合は地方自治体によって補助金の対象となるケースがありますが、PPAモデルやサブスク型の場合は対象外となる可能性が高いため、事前に事業者と自治体の両方に確認が必要です。

まとめ

初期費用0円の太陽光発電サービスは、施主が自己資金ゼロで太陽光発電を導入できる魅力的な選択肢です。

特に新築住宅を建てる際、住宅ローンの借入限度額に影響を与えずに太陽光発電を設置できる点は大きなメリットといえるでしょう。

一方で、売電収入を得られないプランが多いことや、契約期間中の途中解約には違約金が発生することなど、注意すべき点もあります。

そのため、施主のライフプランや予算、電力使用パターンをよく聞き取った上で、最適な導入方法を提案することが大切です。

おすすめなのは初期費用0円で太陽光発電設備を導入でき、かつ売電も可能なリース型です。

建築現場博士がおすすめする太陽光発電システムは『ダブルZERO』です。
太陽光発電システムの設置と災害対策を初期費用0円でおこなえます。

ダブルZEROを提供しているSolaCoe株式会社は、新築住宅向けに4,000件の太陽光発電システムを設置した実績とノウハウを持っています。

太陽光発電システムの申請代行もおこなっており、太陽光発電システムの経験がない工務店様でも心配はありません。

またオンライン・オフライン形式での勉強会開催や提案ツールの提供をおこなっており、太陽光発電が未経験であっても安心して施主様に提案が可能です。

SolaCoe株式会社の太陽光発電リースの特徴
  • 初期費用0円
  • 住宅ローンに影響がない
  • リース期間中は何度でも修理費が無料